
社会人のための門戸が広がった時代
かつての大学院は、浮世離れというか、変わり者が多いイメージがありました。『鉄腕アトム』の御茶ノ水博士、『バックトゥーザヒューチャー』のドクのようなもじゃもじゃ頭の白衣の博士のような人を育成するのが大学院というイメージだったかもしれません。ドラマ『トリック』の阿部寛、ドラマ『ガリレオ』の福山雅治が演じたような変わった人が教授というイメージはまだあると思います。『逃げ恥』の新垣結衣が演じる役は、心理学の大学院を修了したものの就職がないという設定でした。
しかし、今では、変わった先生もいらっしゃいますが、実務的なしっかりとしたビジネスマン、公務員のような感じの教授も多くおり、学者養成だけでなく、実務家を養成する大学院もあります。今では、かつてよりもかなり広く門戸が開かれており、社会人にとって大学院に合格するチャンスは大きくなっています。
岸田総理がよく言っていた社会人の学び直しであるリスキリングが話題になりました。松田聖子は中央大学法学部の通信教育を卒業しましたし、小倉優子は白百合女子大学で児童文化を学んでいますし、相川七瀬は國學院大學神道文学部を卒業し、國學院大學大学院文学研究科では民俗学を専攻しています。
バブルガムブラザーズのブラザートムは、駒澤の夜間の短大で仏教学部を専攻して卒業しましたし、萩本欽一は、駒澤大学仏教学部に通いましたし、そのまんま東は早稲田大学を卒業して東国原英夫になりました。エド・はるみさんは、慶應義塾大学大学院システム・デザイン研究科を修了しました。安倍昭恵さんは、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科を修了しました。
青山学院大学箱根駅伝の原晋監督は、青山学院の監督をしながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を修了しています。稀勢の里、安美錦は、早稲田大学スポーツ科学研究科で相撲を研究しましたし、スポーツ界、相撲界も向学心が上がっています。
大仁田厚は40歳を超えて高校を卒業し、明治大学政治経済学部夜間部在学中に参議院議員になりましたし、ジャンボ鶴田、小川直也は、筑波大学大学院でコーチ学を学びましたし、ケンドーカシンは、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を修了しましたし、プロレスラーの向学心も高いです。

開講時間で受験校を決めていく
- 平日夜間と週末に通えばいい大学院
- オンライン授業と週末に教室に行けばいい大学院
- 週末だけ行けばいい大学院
- 通信制大学院
- フルタイムの大学院
のうち、どのような大学院なら卒業できるかを考えて、受験校を絞り込んでいきましょう。
平日昼間には大学院に行けないならば、そういうところに通う自分を夢想しても仕方がありません。
コロナ禍以降に、在宅勤務、フレックス勤務が広がりました。そうした制度を活用すればフルタイムの大学院に通って修了できそうか、などを考えて、現実的に受験できる大学院を絞り込みましょう。
まずは、現実的には、開講時間がどのようなものならば、合格した場合に修了を目指せるかを考えましょう。(もし、修了して修士号を取得しなくてもよく、〇〇大学大学院〇〇研究科中退でもよく、〇〇大学院出身、という学歴でいいならば話は変わりますが。)
合格しやすいのは自分の今までの歩みと関連したテーマ

社会人の人は大学で過ごしてから時間が経っており、学問的な本の読書が若者よりも少なくなっている傾向があると思います。そのため、仕事の中、生活の中で思った疑問をとっかかりとしたテーマを研究したいというストーリーで受験をしていくと合格を引き寄せやすくなります。
例えば、公務員を定年まで勤めあげた人が、定年後に起業をしたいと思っているので経営学を研究したいと言い出すと、教授は、じゃあ大学の学部に行って学ぶといいですよ、とアドバイスをしてくださったりします。公共政策大学院ならば、元公務員が実務の中で思い当たった疑問点を研究していくことにすると受験がスムーズに進みやすいですね。
70歳近い男性が、国連改革をして日本から世界的リーダーを出す研究をしたいと言っていましたが、その方は商店会の会長さんであり、商店街活性化、地域活性化に貢献した人でしたので、活気がある商店街による地域活性化といった研究テーマで有名大学院に合格しました。今まで特に関わっていない国連改革と言い出しても、特にオリジナリティのある研究はしにくいでしょうし、教授は素人の人が言い出す話に修士論文ができるまでの2年間おつきあいすることに躊躇しやすいですね。
また例えば、専業主婦歴が長い人は、ボランティア活動、習い事、趣味の会などでの気づきを活かしたテーマなどにするといいですよね。地域の子育て支援や、環境ボランティア活動をしていたのならば(研究のネタづくりでこれからするにしても)、行政との官民連携の研究、NPOによる子育て支援、環境貢献活動とNPOといったことを研究することにすると受験がスムーズに進みやすいですね。
大人の受験生は、今までの人生の中での気づきに関連したことをテーマにして受験し、合格して入学し、教授と打ち解けて仲良くなってから改めてに詳しく研究テーマを話し合って修士論文を書いていくというのがいいのではないかと思います。
修士論文は2年間で書き上げるものですので、あまりにも壮大なテーマを言い出すと、教授は困ってしまいます。格差をなくす研究!と言い出しても、総理大臣、県知事、市長などでも解決できないテーマなのに、私が修士論文を書いて解決させる!と言い出しても、教授は苦笑いになりますね。教授が何十年間も研究しているようなことを、2年間で私はやります!と言うと、困った人になってしまいます。
研究には、役に立つ研究、役にたつわけではない研究があります。例えば、お金儲けにつながる研究もあれば、全然お金儲けとは関係ない研究があります。
「お金にならない研究の例」
- 日本企業におけるバレンタイン文化の発展と衰退
- 会社における温泉旅行という昭和の企業文化の歴史的考察
- 社員運動会によって社員の一体感を高めていた昭和の経営文化
- 戦後ドラマに描かれた自己犠牲的社畜文化
- 穢れ観念から生まれた日本独自の生理休暇制度の歴史
- 1980年代ドラマにおけるオフィスラブの描かれ方の考察
「お金につながる研究の例」
- 社員の健康を気遣ったマネジメントによる業務改善
- 生理休暇の再活性化による女性社員の働きやすい職場づくりによる収益向上策
- 健康経営の推進による優秀な人材獲得戦略
- ハイパフォーマンス社員の作業効率に関するナレッジマネジメント
- プロダクトポートフォリオマネジメント
- ご当地ファンドの組成
入試科目で選ぶ
そして、なんと言っても、対応できる入試科目の大学院を選ぶことが大切です。50歳まで英語がさっぱりだった人が50歳から急激に英語が得意になることはなくはないでしゅうが、なかなかないことですので、そういう場合は英語が入試で不要な大学院を受けることにするのがいいと思います。
(コロナ以降、筆記がなしが増えています)

併願のヒント、コツ
その他、大学院の研究科の名称で、自分が受験するところを選んでしまうと、とても選択肢が減ってしまいますので、研究科の名称に惑わされずに、併願を決めていくのがいいと思います。
ビジネス系の研究をお考えの場合は、MBAにしぼるか、ビジネス系の研究ができるところを広く選択肢に入れるかは大事な運命の分かれ目です。
「赤田総研のMBA・MOTの合格実績」
一橋大学院大学院経営管理研究科
(旧・一橋大学大学院商学研究科)
筑波大学大学院人文科学ビジネス科学研究科
(旧・筑波大学大学院ビジネス科学研究科)
横浜国立大学大学院国際社会科学府経営学専攻社会人専修コース
東京都立大学大学院経営学研究科
慶應義塾大学大学院経営管理研究科MBAコース
慶應義塾大学大学院経営管理研究科EMBAコース
早稲田大学大学院経営管理研究科
(旧・早稲田大学大学院商学研究科)
(旧・早稲田大学大学院ファイナンス研究科)
(旧・早稲田大学大学院アジア太平洋研究科)
東京理科大学大学院経営学研究科
(旧・東京理科大学大学院イノベーション研究科)
明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
立教大学大学院社会デザイン研究科(MBA in Social Design)
(旧・立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科)
中央大学大学院戦略経営研究科
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科
法政大学大学院経営学研究科
(旧・日本大学大学院)
同志社大学大学院
関西学院大学大学院
立命館大学大学院
名古屋商科大学大学院
(旧・南山大学大学院)
グロービス経営大学院
SBI大学院大学
北陸先端科学技術大学院大学
「会計大学院」
早稲田大学大学院会計研究科(会計大学院)
明治大学大学院会計専門職研究科(会計大学院)
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科(会計大学院)
などがありますが、国内MBAは意外と選択肢が少なく、一橋、早慶を滑ってしまうと、MARCHになります。
それよりは、有名校でビジネス関連の研究をして最終学歴をよくしたいという意向があるならば、MBAコースではないけれどビジネス関係の研究をできる大学院に進学して、学歴をよくするという作戦もあります。
例えば慶應ならば、
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)
慶應義塾大学大学院商学研究科
慶應義塾大学大学院法学研究科(公共政策コースなど)
慶應義塾大学大学院経済学研究科
慶應義塾大学大学院文学研究科(図書館・情報学)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
慶應義塾大学大学院医学研究科
慶應義塾大学大学院理工学研究科
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
が、社会人が実は同じような準備(書類づくり、研究科によってはちょっとした筆記対策)で、実はビジネス系の研究をできる大学院がいろいろあります。慶應のMBAだけ狙うやり方もありますが、慶應の名前をゲットして、慶應三田会に入っておいた方がいいかな、と思うならば、MBAも含めた併願作戦をするのも赤田総研のおススメです。
上記の慶應の中から平日夜間と土曜日の学びで済むところだけを併願する作戦などもできますし受験戦略のバリエーションはいろいろあります。
また、MBAコースは東大にはないために、それは残念だと思う人は、以下のような東大でビジネス、経済などの研究ができます。
東京大学大学院経済学研究科
東京大学大学院公共政策教育部
東京大学大学院総合文化研究科
東京大学大学院教育学研究科
東京大学大学院情報学環・学際情報学府
東京大学大学院新領域創成科学研究科
東京大学大学院工学系研究科
東京大学大学院情報理工学研究科
東京大学大学院医学系研究科
東京大学大学院農学生命科学研究科
東大の医学部、工学部、農学部の大学院には文系でOKの専攻がありますので、穴場になっています。以上の大学院の入試科目は、
・面接のみ、
・TOEFL・TOEICと面接、
・TOEFL・TOEIC・ちょっとした小論文・面接
・TOEFL・TOEIC・専門科目・面接
・英文和訳・専門科目・面接
などいろいろな方式がありますので各自の都合が合うところを併願するといいでしょう。併願の相談・提案・アドバイスは赤田総研の得意分野、強みです。
公共政策・医療・福祉などその他いろいろ広く研究できる大学院は、以下の大学院にもあります。研究科の名称はすぐにそうだと連想できないケースが多いです。
東大
京大
一橋
東京科学大学(東工大)
大阪
神戸
北海道
東北
名古屋
九州
早稲田
慶應義塾
上智
東京理科
ICU
明治
青山学院
立教
中央
法政
・平日夜間と週末の大学院を狙う
・英語がないところをねらう
・面接だけのところをねらう
・TOEICのスコアを活かして受験する
・英語なしで小論文と面接の大学院をねらう
などいろいろな作戦ができます。
東大医学部、東大工学部、東大農学部、東工大(東京科学大学)の大学院には実は文系があったりなど意外な盲点もあるのが大学院入試です。
まとめ
社会人受験生(リタイアしたシニア、社長さん、政治家、会社員、自営業、自由業、主婦…)のみなさんは、ご自身の経験をふまえたようなテーマにすると合格しやすくなります。社会人の人を優遇したいと面接官の教授陣が優遇しようと思うのは、教授が知らない現場のことを知っている社会人の独自の体験、人脈、情報源などに興味があるからという傾向があります。
例えば、銀行員の方が、いきなり「人間とは何か?」「生きる意味とは?」というテーマで哲学科を受けたとしても、戸惑われますが、「企業倫理について」「収益と倫理の両立は如何にして可能か」などのようなテーマであれば、「人間とは何か?」「生きる意味とは?」というようなテーマよりも、明らかにナチュラルになり、面接がスムーズになって来ます。もちろん例外もありますが、今までの人生と、研究テーマには一貫性があると合格を引き寄せやすくなります。主婦の方であれば、地域でのボランティア活動の延長線上の研究テーマなり、詳しく読書をしてきたような分野があればそれに関連したテーマにするといいかと思います。
あとは、開講時間、入試科目が自分に合ってところをねらうことがポイントです。
大学院受験は情報戦です。赤田総研にご相談ください。