神戸大学卒、東大大学院で地球惑星科学を専攻し研究者を経て作家になり直木賞受賞の伊与原新さん

――神戸大学から東大大学院に進み、地球惑星科学を専攻し、研究者になったのは、目指していた道だったのですか。

【伊与原】子供のときから宇宙や惑星に興味があり、高校生になる頃には地球科学の研究者になろうと思っていました。僕が取り組んでいたのは、岩石のデータから地球の仕組みや進化を解明する研究ですが、どんな研究も必ず壁にぶち当たるもの。研究者には、研究に直接関わる能力だけでなく、いろんな人を巻き込みながらその壁を打ち破るバイタリティが必要で、パッションが自分には足りなかったのかもしれません。信頼できるデータも出なくて、研究がなかなかうまくいかない時期に、もともと好きなミステリーを読んでいたらあるトリックを思いつき、そのネタを使って小説を書き始めました。

東大で博士号を取るも行き詰まって作家デビュー…直木賞・伊与原新の小説がもつ「不思議なリフレッシュ効果」

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