面接対策

細かいことは、ご入学いただいた方と個別に特訓をしていきますが、ここでは大学院の面接の概略をお伝えします。

受験生の悩みの種である面接

 大学院入試における面接というのものには大きな不安を持つ人が当然ながら多い。面接相手の大学教授には変わった人も多いようだということはよく知られており、どんなことを言われるのか不安に思うのは当然である。自分が学問に徹底的に打ち込んで来たわけでもないのであれば心配は募るのは当然である。

 予備校講師の立場から言えることは、しっかりと事前学習し、しっかりとした研究計画書を書いておくことが大切である。時には理不尽な対応をされて落とされることや、初めから合格させる気のない意地悪面接もなくはない。自分の専門分野以外のことがわからず、どなりつけてごまかして面接が終えるようなことをする教授もいる。しかし、まっとうな面接官が対応して下さる場合も多い。特に実務的の大学院の場合は、そこまで不条理な面接は少ない。

 しっかりと研究計画書を用意し、想定される面接での質問への対処を準備しておくことがポイントである。

面接官である大学教授はどんな人たちか

 子どものころから読まされるエジソン、ニュートン、野口英世などの偉人伝で取り上げられる偉人は、何かひとつのことをやり遂げた立派な人と思って信じて来た人が多いだろう。しかし、エジソンもニュートンも野口英世も変わった人であるということは大人になってくると知る機会があり、驚いた経験をした方も多いだろう。

 例えば野口英世は、会津若松のプロテスタント教会の信者になったが、近くのカトリック教会の女学生を好きになり、今でいうストーカーのようなことをして、カトリック教会の神父さんから注意をされるようなことをしていたり、借りたお金を踏み倒すこともよくなったような人間臭い人物であった。

 難しい勉強をして何かひとつのことを達成した人は、円満でバランスがとれた人格者であるとは全く限らないのである。これは大学においても言えることである。もちろん大学内で素晴らしい人格者、ジェントルマンだと認識されている教授もいるが、どちらかといえば、一般企業ではやっていくことが難しいと思われている人物も多いということを知った上で面接に臨めば、わけのわからないことを言って来られても対応がしやすいだろう。

 一般社会にいる人たちは、何か自分が知りたい問題があったとしても、それを突き詰めて考え行こうとすることをやめ、学校を卒業する前に、実社会に出て働こうとする。そして一般社会のしきたりに従って歩もうとし、会社の研修を受けて社会人になってゆく。しかし、教授になった人たちは、大学を卒業する前に、自分が知りたい問題、探求したい問題があっても、会社に入って社会人のマナーを身につけようとせず、自分が知りたい問題を大学院に入って探究しようとした人たちである。

 ふつうは知りたい疑問があっても大人になることでそうした疑問は脇において社会人になるものであるが、そうせずに自分の興味に正直に突き詰めていった人たちなのである。子どもの時のままように好奇心旺盛なままの人たちなのである。そのため子どもっぽかったり、変わっていることがあるのである。しかし、何か1つの分野を掘り下げた考える人生を送って来た人ならではの良さもたくさんある。

 大学の教員には、大きく分けると、ジェントルマン(ウーマンなど)、普通、変わり者の三通りの方々がいらっしゃることをふまえて面接に臨むことをお勧めする。

また、面接では、圧迫する役、フォローする役、など役割分担を決めている面接もある。


大学院入試の面接への思い込み、勘違い

 大学院入試への勘違いとしては、面接ではやる気を伝えればいいという思い込み、面接官は博識なのですべての受験生の研究内容を理解できるという思い込み、面接官は人格円満であるという思い込み、受験したことを感謝してくれるという思い込み、などがある。

 やる気があるのは当然である。やる気があるかどうか伝わるかは、問題意識がクリアーで、事前に本を読んでいるか、知識がある程度はあるのか、で決まる。何にも事前に用意をしておかなくて、面接でこれからがんばります、と必死に口で言ったとしても、それでは子どものようだと思われてしまう。やる気があるなら、ふだん勉強をしているはずだと面接官は判断する。

 大学教授は博識なので、受験生の研究内容を何でも理解できていると思っている人がいるが、そんなことはないので注意が必要である。教授は、自分の専門分野に関する知識はあるものの、他のことはあまりご存じないことも多いために、研究計画書の内容をよく理解してもらって面接をやってもらえるとは限らない。そもそも研究計画書を読まずに面接に臨んでくる面接官もいることに注意が必要である。

 面接官が人格者とは限らないのは先に述べた通りであるが、高い受験料を払っているために、お客様として尊重してもらえるとはまったく限らない。消費者感覚で面接に臨んだとしても、圧迫面接となり、まごついてしまうケースが出てくることが予想されるために、そうした勘違いはしない方が得策である。


面接で準備しておくべき質問ジャンル

大学院受験の面接対策として考えておくべき質問のジャンルは以下の五点である。

  1. 今まで何(勉強や仕事)をやって来たのか。
  2. これから何(研究)をやりたいのか。
  3. どうしてこの学校なのか。(第一希望か併願しているか)
  4. 修士課程修了後はどうするのか。(学者志望か実務につくのか)
  5. その他、こまごまとしたこと。(学費や家族の賛成や趣味など)

面接官の言葉遣いをさまざまであるが、今までやって来た勉強、これから研究したいこと、志望理由、などを質問されます。面接官のなかには、事前に受験生が提出した書類をちゃんと読んでいない人も少なくないため、面接官は自分のことを知らないという前提で面接に臨むといいでしょう。

「研究テーマを○分で説明してください。」「そのテーマだったラ他の大学院でも研究できますよ。
どうしてうちの大学院がいいんですか?」など質問されます。例えば、日大生が、MARCHや早慶を受けたとしたら、面接官は、「なんで日大の大学院に行かないんですか?」「他にもいっぱい大学院はあるのに、どうして○○大学大学院を志望したんですか?」など当然突っ込まれます。

そうした時に、日大よりMARCHの方が就職がいいから」「早慶は有名だから」などを答えると、とても印象が悪くなりますので、○○といったテーマを指導していただける教授が日大にはいらっしゃらなかったため、他校の大学院を探したところ、○○教授からぜひ指導を受けたいと思いました」などと言えないといけませんね。また、「御校の〇○研究科のカリキュラムは、~~~~という点が非常に魅力的なため、ぜひ研究環境を変えて学びたいと思いました。」などと言うのもいいでしょう。

大学院の面接は、どこを受けるか、どういった併願をするか、どういうテーマ、どういう研究計画書で受けるか、学生か社会人かなどで随分違って来ます。コスパがいい、受験プランのご提案もしますし、多角的な面接対策を赤田総研ではしていますのでお気軽にご相談ください。

会社では上司は部下を選べないが、大学院では、大学院生を面接で選べます。その教授が指導しやすい人(研究テーマ、人柄など)を面接で選ぶということを頭に入れて受験していくといいですね。就職活動では、能力だけでなく、社風に合うかどうかも大事です。大学院受験は、就職活動にも似ている面があることを視野に入れて対策をして行きたいものです。そして、大学院生を受け入れるということは、教授の仕事を増やすということですので、私を入れると迷惑ではないですよ、貢献しそうだと思っていただけるといいですね。

「合格のパターン」

  • 有能だからぜひ指導してみたい人(指導しがいがある人)
  • この人がいたらおもしろそうだなと思ってもらえる人間力がある人
  • 独自情報、独自人脈があっていい論文を書けそうな人
  • 落とす理由はない人
  • 邪魔にはならないからいてもいい人
  • 大学院の経営のために入れないといけないから入れてあげる人

例えば、女性アイドルグループを作る時には、いろんな特色がある人を採用しますよね。以下のような人を選びがちです、

  • センター候補、エース候補
  • もしかしたら化けるかもしれない子
  • 明るいにこにこしている子
  • クールビューティ
  • 頭いい子
  • おバカ
  • おもしろい子(バラエティ版)
  • 人数合わせ要員

男性アイドルグループなら、以下のようなメンバーがいることが多いですよね。

  • かっこいいイケメン
  • おもしろい三枚目
  • 母性本能をくすぐる
  • リーダーシップがあるしっかりした人
  • おバカ
  • 人数合わせ要因


特に何も特色がない子はなかなかオーディションに受かりませんし、入ったとしても人気が出ません。何かキャラ、強みがあるといいですよね、大学院受験の面接では、全員の面接が終わった後に、合否判定会議をします。その際に、面接官の印象に特に残らない受験生よりも何か特色がある人の方が合格しやすいため、面接に臨むにあたり、自分の強みを考えてそれが伝わるようにしておきたいですね。

まとめ

自分のことをSMAPの『世界でひとつだけの花』の歌詞のように「オンリーワン」だと思っていて、他校の教授は自分を受け入れてくれるだろう、歓迎してくれるだろうと思っていても、教授側にとっては他校の人と思っており、ワンオブゼムの受験生だと思っているという前提で面接対策をした方がいいですよ。また、ディズニーアニメの『アナと雪の女王』のように、「ありのままのー」「それでいいのー」、とありのままの自分をぶつけて受け入れてもらおうと思っても、知らない人の自分探しの相手をぜひしてあげたい教授はめったにいないため、大学院はあくまでも学問をする場だということを意識して受験準備をしたいですよね。

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