『男流文学論』誕生

1980年代は、ウーマンリブに代わってフェミニズムという言葉が流通した時代である。86年に男女雇用機会均等法が施行され、87年にはそれを背景に、林真理子と中野翠が週刊誌のコラムで子どもをテレビ局に同伴するアグネス・チャンへの違和感を表明したところ、働く母親の子連れ出勤をめぐる議論「アグネス論争」が勃発した。フェミニズム本も次々と出版され、88年暮れには、JICC出版局(現・宝島社)から『わかりたいあなたのためのフェミニズム・入門』なるムック本が発売される。

 そうした動きのなかで昭和から平成になったころ、筑摩書房にいた藤本由香里(現・明治大学教授)は、先輩編集者の間宮幹彦から声をかけられた。

島崎今日子「富岡多惠子の革命」【14】『男流文学論』誕生

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