国内の薬物乱用の状況をみると、近年は特に若年層における市販薬の乱用が増えている。法を破ることなく、処方箋や保険証がなくても購入できることも背景にある。急速な拡大や死亡事例の発生などを受け、国は販売個数の制限など規制をしてきたが、目立った効果はみられない。
国はさらに規制を強化していく方針だが、一方でオーバードーズの背景にあるとされる「生きづらさ」そのものへの対策ができないことには、限定的な効果だとの見方も強い。国の議論のなかでは、市販薬を販売するドラッグストアなどで、相談先を渡すなどの情報提供や声かけを行うことも重要とする指摘もある。
生きづらい10代20代が薬物にはまったのは誰しもが通う日常の場所だった…移り変わる「薬物乱用」の実態